「どうせやるなら楽しく、貪欲に」 - 山本昌 スポーツコメンテーター

現在の活動内容について

野球評論家として中継解説をメインに、フジテレビで放送されている日曜朝のニュース番組や、関西地区・東海地区でもニュース番組内の企画でリポーターにも挑戦しています。また、テレビやラジオの広告に起用頂いたり、講演の講師として活動もしています。様々なお仕事をさせて頂きますが、やはり「野球を広めたい」「野球に携わっていきたい」という思いが一番強いので、野球教室や講演・トークショーでは、自分の体験してきたことや、想いを伝えるようにしています。特に子ども向けの野球教室では、「ケガをしてほしくない」という思いがありますので、ケガをしないための投げ方や、僕自身の取組み方なども子どもたちに伝えられれば、と思って取り組んでいます。

現在の活動のきっかけについて

僕はのめり込みやすい性格で、何に対してもやり込むことが好きなんです。よく、多趣味と言われるのですが、多趣味というよりは、小さい頃に始めていたことをずっと続けているだけなんです。昆虫採集も野球も、小学生時代から、学校帰りや休日にやっていたのが続いていったんです。
プロ野球引退後に始めたことは、競馬とラジコンを再開した事ですね。ラジコンは中学三年生のころにお年玉で買って始めたのが最初で、プロに入ってからはしばらくやらなかったんですけど、95年に膝を悪くしたのがきっかけで再開したら、面白くてはまってしまったのですが、晩年は封印をしていたので、引退をきっかっけにまた再開したという事ですね。

プロ野球選手から現在の活動に移行する際に苦労したことについて

高校卒業から50歳までずっと野球をしていたので、こういう言い方は語弊があるのかもしれないのですが、一般社会に出たことがないんですね。特殊な世界にずっといたので、まず、辞めるのが怖かったです。「辞めて自分になにができるんだろう?」「話すのは得意じゃないし、話を聞いていただけるかな?」というのはすごく思いました。
なので、言葉遣いや伝え方は、最初は他の方の解説などを聞いて勉強するなど、疑心暗鬼で進んできましたが、最近は自分の形が確立できたと思います。私はピッチャー出身で、ピッチャーのコアな部分が分かるので、その部分が分かりやすく伝わるように、自分の得意分野を伝えるスタンスで解説しています。

現在の活動での「やりがい」について

モチベーションについては、あまり下がることがないんです。常にプラス思考、いつもなにかをやっていなくてはと思っていますし、その上で「どうせやるなら楽しく」という思いもすごく思っています。
「中途半端が嫌い」というのもあります。例えばラジコンでも、「野球界で50歳までやった人間が、ラジコン界で全然ダメ」というのが嫌なんです。そういう意味で、ラジコンでも日本のトップクラスに迫れるように、というのは常に思っています。
野球でやってきたことはすごく役立っています。成績では上の方でプレーすることができましたので、「どうやったらトップに近づけるのか?」というのは、ラジコンでもぼんやりと分かる気がするんですね。
僕が20年以上師事している、小山先生というトレーニングの先生が鳥取にいらっしゃるのですが、肉体に関して「もっともっと上がある。突き詰めればもっと上がある。トップになるために、常に進化していく」と、とても貪欲なんです。小山先生の貪欲さは、野球や、僕の今の生活での原点になっている気がします。

普段どのようなことを心掛けているか

「自分はなにがメインなのか」は選手時代から分かっているつもりでした。なにが第一なのか、を常に頭において、それができていないのならば他のことを諦める。一番大事なことをやって余った時間をほか活動に充てる、その中で時間を作る、ということを常にやっています。何が第一かを考えて、序列をつけて、今までも頑張ってきたかな、と思っています。今でもそうです。解説のある日の前日は、誰が打ったか、調子がいいなどは必ず調べて球場に向かっていますし、講演などする前には、必ずノートに伝えたいことなどを書いて、伝えたいことがしっかり伝わるように、必ずノートを壇上に持って行って話しています。

今後の展望・目標について

野球界に恩返しがしたいです。その意味では、今は解説者として勉強していますが、もう一度ユニフォームを着て、日本一を目指したいというのが一番の目標です。引退後に学生野球資格回復研修も受けましたので、今は母校の日大藤沢高校で特別コーチに就任しています。野球教室では肩の壊れない投げ方を子どもたちに教えたりもしています。
亡くなった星野監督にも、「お前はこれから野球のことだけを考えて生きろ」ということを言われましたので、星野監督の教え子としてもそこを引き継ぎたいと思っています。星野さんは野球界のことを真剣に考えていて、野球界を取り巻く現状についても良くするために試行錯誤されていたので、そういうところを僕も見習っていきたいです。

新たなことに挑戦するために必要なことは(自身の経験を踏まえて)

一番に言えることは、「年齢は関係ない」と思います。 やりたいことにはいつでもどんどんチャレンジできるものだと思います。僕も周りから「無理だ」と言われましたが、50歳まで現役を続けることが出来ましたし、「意外とやってみると出来ますよ」というのは伝えたいですね。「無理だよ」「身体が動かないよ」「時間がないよ」ではなくて、自分のやれる範囲で挑戦していけば必ず身体は反応してくれますので、後悔しないという意味もこめて、まず挑戦をしてみればいいと思います。 無理しないでやるコツは、成果から逆算するのではなくて、続けられるかを考えて、努力の値を設定することです。成果から逆算して「これしなきゃ」と考えると、長く続かないものなんですけど、毎日「これならできるな」と思って目標に対してゆっくりやっていくと、必ず身体も反応してくれます。

「人生100歳時代」において、充実した人生を送るためのポイント・アドバイス

やはり健康第一ですね。長生きしても「苦しい」では仕方がないので、例えば生活習慣などでも改善できるちょっとした余地があるので、そこを惜しまず、努力をしながら、人生にハリと楽しみを持って生きていくことが大切なのだと思います。
僕の知っている方で、70歳を超えてもアイアンマンレースにチャレンジしている方もいます。そこまでやれとは言いませんけど、身体を動かしたり、やりたいことに対して少しずつ努力していけば、もしかしたら90歳までゴルフも楽しめるかもしれませんし、身体は何歳になっても必ず応えてくれるんですね。
なので、ぜひ、健康で長生きして、100歳まで続くよい人生を歩んでほしいと思います。

山本昌
1965年神奈川県茅ケ崎市生まれ。「球界のレジェンド」の異名を持ち数々の大記録を達成してきた名投手で、現役32年を中日ドラゴンズ一筋で活躍してきたフランチャイズプレーヤー。
1984年に日本大学藤沢高校からドラフト5位で入団。3度の最多勝に輝き、1994年には投手最高の栄誉である沢村賞を受賞。2006年には史上最年長41歳でのノーヒットノーランも達成し、以降も数々の歴代最年長記録を樹立してきた。2008年には通産200勝を歴代最年長の42歳で達成。
引退後は野球評論家として中継の解説をメーンとした活動をする傍ら、自らの経験を基に講演会の講師としても活動。さらに、現役時代からの趣味であるラジコンや競馬など様々な分野の特技と持ち前の明るいキャラクターを活かして活躍中。