「やりたいこと、楽しそうなことをどんどんやる」 - 若宮正子 デジタルクリエーター

現在の活動内容

現在、シニア世代のサイト「メロウ倶楽部」の副会長、シニア世代へのデジタル機器普及を主な活動とするNPO法人ブロードバンドスクール協会の理事を務めています。80歳を超えてからアプリを開発したことが注目され、2017年6月に米国アップルによる世界開発者会議「WWDC 2017」に特別に招待していただいたり、さらに、安倍政権の「人生100年時代構想会議」の有識者メンバーにも選んでいただきました。それまでは、どこにでもいる一人のおばあちゃんとして普通に生活していましたが、アプリ開発以降は、国内に留まらず海外にも出掛ける機会が増えて、とても目まぐるしい日々を過ごしています。私は、何もアプリ開発のプロではありません。もともと何かをつくるということが大好きで、たまたまつくったものの一つが「hinadan」というアプリだった訳です。「hinadan」は、ひな祭りのひな壇に、男雛や女雛を正しく配置するゲームです。現在、英語・日本語・中国語に対応していますが、次のひな祭りまでに、「韓国語」にも対応できるようにしたいと思っています。また、自治体や企業から講演をしてほしいといった依頼やメディアからの取材依頼もよくあります。このように、私自身とても多岐にわたった活動をしています。

※手元の「うちわ」は、若宮様がExcel Artで作成したもの

アプリ開発を行うに至ったきっかけ

シニアが簡単に遊べるゲームアプリがあったらいいなと思ったのがきっかけです。初めは、さすがに自分で作ろうとは思っておらず、若い人たちに、高齢者向けのゲームアプリを作ってほしいとお願いしていたくらいです。ですが、逆にその方々から「若宮さんが作ってみたら」といった話があり、とても面白そうだったのでやってみることにしました。正直、私にできるのかなという思いもありましたが、周りの方々がサポートしてくださったので、気負うことなくできました。

アプリ開発の際に苦労したこと

やはりプログラミングが大変でした。一行一行のプログラミングを作成するのはそこまで難しくはないのですが、ページが変わった時の動きなど全体構成を考えて作っていくことがとても難しかったです。私のプログラムはとても幼稚で、プロの方々からしてみれば笑ってしまうようなレベルでしたが、目的はプログラミングの勉強ではなく、「hinadan」をつくることなので、人形が動けばいいという楽観的な気持ちでつくりました。また、プログラミングは終止一貫して英語ですし、アップル社とのやりとりも英語なので、英語が苦手な私にとってはとても大変でしたが、プログラミングは周りの方に教えていただきながら、アップル社とのやりとりは翻訳ソフトを活用することでなんとか対応することができました。

現在の活動での「やりがい」

そもそも何かを作るのが大好きなので、作ること自体にやりがいを感じています。また、講演をした際に、参加者の方々に喜んでいただけたりすることもとても嬉しいですし、参加者からの質問で、思い掛けない発見もあったりするのでとても面白いです。

※手元の「かばん」は、若宮様がExcel Artで作成したもの

普段どのようなことを心掛けているか

自分のやりたいことをどんどんやることです。でも、私自身このように活動できているのは、周りにいいお友達がいてくださるからだと思います。私がやりたいと思ったことを、皆様が手伝ってくださったり、応援してくださるので、とても感謝しています。国連でスピーチをした時も、応援団としてついてきてくださったので、とても心強かったです。

今後の展望・目標

ものすごいスピードで世の中が動いているので、あまり長期目標は立てないようにしています。いい意味での風見鶏でいたいと思っています。長い目ではこのようなスタンスですが、近い話ですと、電子工作でロボットなどをつくってみたいなと思っています。

新たなことに挑戦するために必要なこと

私自身、何事においても挑戦するという考え方はしません。自分が楽しいことをやるだけ、それに尽きます。楽しんでいるうちに何かを見出せればいいかなと思っています。

「人生100歳時代」において、充実した人生を送るためのポイント

一つは、好奇心を持って生活することです。お子さんがいらっしゃる方々には、子どもの好奇心をどうか削がないように育ててほしいなと思います。これからの時代、何かのコピーを作ることで満足していてはいけません。やはりオリジナルのものを作る必要があると思います。
二つ目は、たくさんお友達をつくって、たくさんおしゃべりをすることです。
三つ目は、どんどんコンピューターを利用することです。高齢になるとどうしても記憶があいまいになってしまうことが多くなりますので、頭の外部記録媒体としてコンピューターを利用することはとてもいい方法かなと思います。むしろ、高齢者こそコンピューターを利用して、記憶という弱い部分を補助していけば、快適な生活を送れるのではないでしょうか。
以上の三つが、私が日々心掛けていることになります。みなさんもぜひ参考にしてみてください。

若宮正子
1935年生まれ、デジタルクリエーター。三菱銀行(現・三菱UFJ銀行)勤務ののち、定年をきっかけにパソコンを独自に習得。1999年にシニア世代のコミュニティサイト「メロウ倶楽部」の創設に参画。現在も同倶楽部の副会長を務めているほか、NPO法人ブロードバンドスクール協会の理事としてシニア世代へのデジタル機器普及活動に尽力している。2016年秋からゲームアプリ「hinadan」の開発をはじめ、2017年2月に配信し話題となる。2017年6月に米国アップルによる世界開発者会議「WWDC 2017」に特別招待され、2017年秋には政府主宰の「人生100年時代構想会議」のメンバーにも選ばれた。